http://www.j-cast.com/2006/10/19003419.html
日々の連絡手段として欠かせない電子メール。
アドレスを間違うと、エラーメールが戻って来て、
送ったメールが届かなかったことが分かる。それはよくあるが、
メールを送った人が知らない内にメールが無くなっている、
そんなケースが全体の1%にのぼることが、米研究機関の調査で明らかになった。
大事な用件が伝わらなかったら大変だ。
約37万通のメールの送受信で「実験」
送ったメールの1%は届かない? 調査は米マイクロソフト社の研究機関
「マイクロソフトリサーチ」が2006年10月に発表したもので、
実際にメールを送受信して、メールがただ消えてなくなる(silent email loss)
割合を測定した。
実験では、米国、英国、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアの5か国、
46個のメールアカウントを使用して、約37万通のメールを送受信した。
メールの内容は、エンロン裁判で公開された同社社員によるメールの文面を集めた
「エンロンコーパス」と呼ばれるものから、1,266通を使用した。
その結果、消えてなくなったメールの割合は1.79%〜3.36%だった。ただし、
これには、メールの内容に応じて、迷惑メールをブロックする
「スパムコンテンツフィルター」による消失を含んでいる。この影響を除くと、
メールが消える割合は0.71%〜1.02%と推計されている。
日本でも同じことが起きている可能性は強い。
迷惑メール防止対策が裏目に
報告書によると、メールを送信・転送するための「SMTP」と呼ばれるサーバーを
メールが通過する際に、ブロックされてしまう、ということのようだ。
このサーバーには迷惑メールの通過を防ぐために、
「ホワイトリスト(通過を許可するリスト)」
「ブラックリスト(通過を許可しないリスト)」が利用されているが、
この対策が裏目に出ていると見られている。
報告書では、「もたらされる損失は大きいため、この問題を無視できない」とし、
新しいメールシステムを提案している。当分の間は、
商談や就職活動などの大事なメールでは、「怪しいと思ったら電話で確認してみる」
といった自衛策が必要そうだ。